リテンションストラテジー―有望な人材を活かす、残す



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リテンションストラテジー―有望な人材を活かす、残す
リテンションストラテジー―有望な人材を活かす、残す

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会計の人が書いた人事の本ですね

筆者の主張は明快である。
@優秀な人材にはそれに見合った報酬を与えないと会社から出て行くことになる。
Aそれが実現できる企業文化を創らなければならない。
Bその為には、グローバルスタンダード(=株主価値最大化の経営)を実現しなければならない。
ということだ。

今の日本の状況を見てもその主張には賛同できる。
しかし、優秀な人材・日米の企業文化などがステレオタイプに書かれすぎているため、読んでいて強い違和感を感じる。

また、リテンションのための施策が金銭的報酬に偏りすぎている。
例えば、優秀な研究者を引き止めるためには研究結果に対する金銭的な報酬よりも、
自由な研究テーマ設定や研究環境の充実がリテンションに有効であるだろう。
このように、「リテンション・ストラテジー」というタイトルにもかかわらず、
リテンションを考える重要な要素の一つである「社員の心」に対する考察があまりにも貧しい。

その点からすると人事の本ではなく会計の本である。
「株主価値最大化の報酬施策」とでもタイトルづけをしてくれた方がよかった。

タイトル付けが上手ければ内容がそれほど濃くなくても出版できるという好例だろう。
早く実現して欲しい世界が描かれている

思いっきりグローバル、欧米風に振っている議論で、日本的カルチャーにあまり配慮していない。例えば、リテンション手段として、金銭的インセンティブ付与ばかりが強調されるところにもその傾向は現れている。それだけに中途半端ではなく、極めて筋が通っている。

また、人材を非常にはっきりとスーパースターとそうではない人に分けている。この辺はドメスティックな感覚では、そう簡単には割り切れないようにも感じるが、そういう受け取り方自体が「日本的な」受け取り方なのだろうことに気づかされる

この著書は少数のホワイトカラーを対象としているつもりだろうが、ホワイトとブルーの中間のグレーカラーやリスク回避型のホワイトカラーが読むと不安感を増すばかりかもしれない。

いずれにしても早いところ、こういうスッキリした時代にしたいものだと感じた。
アングロサクソン流グローバルスタンダード経営の解説書

 本書のタイトルである「リテンションストラテジー」とはあまり聞きなれない用語であるが、「有望な人材の引き留め戦略」という意味だという。

 国内において、企業の終身雇用がもはや維持不能となり、欧米諸国のごとく人材の流動が促されるようになってきた。企業はコストに見合わない「ドッグ」に分類される人材を何とかして止めてもらおうとするより、コスト以上に貢献する「スター」をいかにして自社に引き留めておくかということにより注意を払うべきという。

 そのためには、筆者は従来の日本企業の「悪平等」や「ダブルスタンダード」を改め、アメリカ流のグローバルスタンダード経営に移行すべきと説く。具体的には「企業文化=10の座標軸」「インセンティブ=有能な人材に一流の報酬」「コーポレートガバナンス」を見直すべきという。

 本書の特徴は、リテンションストラテジーというタイトルよりは、むしろアメリカ流のグローバルスタンダード(=人本主義から株主主義へ)とはいったいどういうことなのかということの説得力のある解説書となっている。さらに「買い」なのはこの著者の簡潔にしてわかりやすいメリハリのある、しかもポイントをきっちり説明している文書と構成である。この良質さは文句なく5つ星!



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