行き着くところは人間同士の相互理解
実質1年半の記録であるが、期間が短いがゆえにその中身は非常に濃いものになっており、従業員を鼓舞しながらの、取引金融機関や外資、裁判所との交渉経過にはすっかり引き込まれました。しかし、最も印象に残ったのは、第1章に書かれている『あるクライアントの死』と終章に書かれている『ユイ』の話です。これは、どんなに大きな事件でも、極端に言えば法律がどうなっていても、結局は人間対人間がお互いにどれだけ理解し合えるかが成否のカギであることを示したものであり、本書および筆者の根底にあるものではないかと感じました。
企業再建現場のド迫力
本書は、破綻した日本リースの管財人を務めた奥野弁護士によるものですが、企業再建の現場が、真実だけが持つ迫力で描かれています。事業の譲受人として名乗りを上げたGEキャピタルやGMACといった一流外資系企業との丁丁発止の交渉。債権者の利益を最大限に確保しつつ、貫き通した従業員の雇用の絶対確保。日本で初めてのABS(資産担保証券)の倒産対応。法的破綻処理の歴史の中でも画期的な「更生計画によらない事業譲渡」。いわば進駐軍の立場に在りながら、更生会社の従業員の士気を維持しつつ、その能力を最大限に発揮させて遂行した難局の打開。これら全てを指揮した著者が成し遂げたことは、単に優秀な法律家としてだけでなく、ビジネスマンとして、人間としての力を総動員してこそ成し得た偉業だと思います。
小学館
あきらめるな!会社再建 コーポレート ファイナンス(第8版) 上 コーポレート ファイナンス(第8版) 下 大前流心理経済学 貯めるな使え! 勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド (ディスカヴァー携書 22)
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